良 能 善
 良くなる 能くなる 善くなる

「原本西式健康読本」より抜粋

西式健康法とは(西医学、西式強健術、テトラパシー)

 故・西 勝造氏(1884〜1959)が、自らの体験に基づいて編み出した健康法です。完成するに当り古今東西のあらゆる健康法を調べ、

 そして自ら試しました。その数は362種類にものぼり、より優れたものだけまとめ、1927年(昭和2年)に西式強健術として完成しました。

 人間が本来持っている自然治癒力を引き出して病気を予防・克服していこうとする考え方を基本に、皮膚、栄養、四肢、ならびに精神の四大原則をおのおの正しくするには、

 いかにすべきであるか、この正しい四大原則でいかにして健康が建設されるのであるかを教える健康法です。

四大原則



第1図

皮 膚

 皮膚は人間が生まれてはじめて外気に接する部分であり、人間と宇宙との境界である。

 胎児の間は、呼吸が出来ないから、肺循環の必要がなく、右心房と左心室との間には、卵円孔という短絡道があるが、これが胎児が生まれて呼吸を始めると、

 この卵円孔が閉鎖されねばならぬ。この時間は、肺循環が不完全であるから、皮膚がその間の補助的作用を営むのである。

 西式が、胎児は生まれてから一時間四十分裸体でおくことが必要であるとするゆえんである。こうすると、卵円孔の閉鎖が完全に行われ、新生児黄疸を起こさないのである。

 人間は衣服で皮膚を包むが、包みすぎると肝臓が弱くなり、肝液素の分泌が鈍り、腸の蠕動が鈍化して便秘に陥る。

 便秘は腸マヒの原因となって、宿便を停滞し、これが脳に影響して、手足の神経を麻痺する。

 手足の神経が麻痺すると、血液の循環が悪くなり、四肢厥冷症となり、腎臓に故障を起こし、心臓、肺、血管におよび、これが万病に発展する。

 なるべく皮膚は包み過ぎないように、厚着の習慣は極力避けること。

栄 養

 栄養が健康に影響することは当然である。人間は、火を発明してから食物を調理するようになって、ビタミンやその他の栄養素が破壊され、

 このために栄養不足となって身体組織細胞が活力を失い、細菌に冒されたり、癌や筋腫などができるのである。

 栄養の不完全はまた皮膚や四肢に影響をおよぼし、精神にも悪影響をおよぼすものである。

 また、食物が精選されるところにも、栄養上の不完全をきたすものである。白砂糖、白米、白パン、魚類や肉類で、頭や骨や臓腑を除くと、このためにも栄養上の欠陥を生ずる。

 物を煮ると、食物の含有する蛋白質は二分の一に減ってしまい、天然に入っている塩分は四分の一になってしまう。

 したがって、煮たり焼いたりしたものを食べる場合は、二分の一に減った蛋白質と四分の一に減った塩分とを補給するために、生で食べれば少量で済むものを、

 煮たり焼いたりして火をかけたものはその生の量の二倍だの四倍だのを食べなければならず、そのうえ熱によって栄養素は凝縮するから、

 その凝縮している栄養素を吸収できるように解きほぐすために消化器官は余分の仕事を背負わされる。

 また食物の量が多いとそのために出てくる有害なる副産物や残滓物質の処理のために、肝臓や腎臓や腸が余計な仕事をしなければならぬから、

 それだけ生体は過労を強いられ、老衰を早めることになるのである。

 人間が、他の自然に生息する動物に比べて、食料が多いのも、年をとると皺がよったり、白髪になったり、頭が禿げたりするのも、この煮たり焼いたりしたものを食べるためである。

 狐や狸、熊や狼に頭の禿げたものはいないし、鳩やキジに白髪になったものを見た人のないのも、彼らが火食をしないからである。

 してみると、食物における正しい指導が、健康建設に大きな役割を演じていることが知られるであろう。

四 肢(六大法則参照のこと)

 四肢、特に足は人体の基礎であるから、この基礎が不完全であると、それから上の身体はどちらかに傾斜し、このために脊柱はいろいろ複雑なる湾曲をきたし、

 椎間軟骨は楔をなし、曲がりの内側では、椎間孔から射出する神経及び血管は圧迫を受けて、神経は麻痺し、血管は圧迫によって循環障害を起こし、

 これに連なる内臓器官や皮膚、骨格筋肉などに障害を起こすのである。はなはだしいときは脳髄も冒され、神経衰弱や精神異常をきたすこともある。

 手が故障を起こすと、肺臓や脳髄に障害をおよぼし、ひいては心臓や咽喉や血管に故障を生ずることも自然であろう。

精神
 
 皮膚、栄養、四肢は、健康上重要なる因子であるが、これを統率するのは精神である。したがって、精神上の障害も、皮膚や肢、ならびに栄養に影響をおよぼすものである。

 これを正三角四面体にあてはめて、上記第1図のように表わし、人間の健康問題に対する四大原則と称しているのである。

 正三角四面体は、立体の中でその体積が最も小さく、しかも力学的にも丈夫なものである。

六大法則

 西医学健康法の六大法則のうち、平床、硬枕、金魚運動の三つは、解剖学的歪みの矯正であり、次の毛管運動、合掌合蹠、背腹運動は、

 生理科学的平衡状態を招来するものであり、良くなる能くなる善なると思うことは心理的効果をねらったものであり、

 生水の飲用は、毒素の解消と生化学の促進に役立つものである。

 六法の実行は、西医学生活、すなわち健康生活の基礎をなすものであって、宗教における戒律とも見るものであるから、実行を怠ってはならない。

 その実行方法は、夜寝る前は平牀上に仰臥して硬枕を用い第四の毛管運動を行い、その後で手首足首の回転運動または馬字三字の運動を行い、

 その後でまた毛管運動を少しやり、次に枕をとって第三金魚運動をやり、これが終わってから、枕をして寝につくのである。

 起床のときには、まず金魚運動をやり、それから毛管運動をし、それからトイレに入り、排便を済ましてから背腹運動をするのである。これが終わってから、洗面という順序である。

 便通はあってもなくても、起床してトイレに入る習慣が良い。トイレで左右揺振を行うと、便通を促すものである。起床時にコップ一杯の水を飲むことを忘れないこと。

 この方法を三年間一日も休まず実行するならば、相当の健康を勝ち得るだろう。三年間一日も休まないということがきわめて大切なことである。

1.平牀寝台(脊柱のゆがみを正す)
 
 人が四足動物と同じように背骨を水平にするのは、身体を横たえて休む就寝の時間帯です。

 このときを利用して、硬く平らな牀に寝れば、脊椎のゆがみを水平一直線に矯正できます。

 ふかふかの布団ではリンゴがパックにはまったように身体が沈んで、思うように寝返りも打てず、昼間に起きたゆがみは翌日に持越しです。

 背曲り、腰曲りのある人は堅い牀では当たって痛いでしょうから、初めは牀の上に布団を1枚敷きます。

 1ヶ月もしたらせんべい布団、2ヶ月したら毛布2枚折、もっと慣れたらシーツ1枚というように、具合を見ながら調整します。

 寝ながらにして7〜8時間は脊柱の矯正になり、慣れるとかえって熟睡できます。

 平牀に用いる牀は成人で幅50〜60cm、厚さ1.0〜2.0cmで、長さは身長くらい必要です。牀の材質は自然木とします。木は吸湿性もあって、冬でも寒くありません。

効能

 平牀の硬さによって皮膚と肝臓が刺激されます。皮膚表面の静脈を鼓舞することで血液の帰路の循環がよくなり、更に腎機能もよくなり体内の老廃物の処理が進みます。

 そのために知覚神経も麻痺することがなくなり、また肝機能の向上で腸の運動を助け便秘を防ぎます。さらに腸と密接なつながりのある脳を明快に保つこともできます。

2.硬枕・木枕(頚椎のひずみを正す)

 昼間に重い頭を乗せた負担から生じる頚椎のひずみを解消するのが硬枕です。
 
 丸太を半分に割った形の硬枕の高さの寸法は、半径が本人の薬指(第四指)の長さです。

 仰臥すると頚にぴったりします。底辺は本人の手の指をちチョキにした寸法で、長さはだいたい13〜17cmと、半径の長い短いにあわせます。

 この枕を頚に当てて休みますと、頚椎にゆがみのある人ほど、痛かったり痺れたりします。

 その場合は頑張らないで、これまで常用した枕に交替し、そして翌晩また硬枕をして痛かったら交替と、枕を使い分けます。しばらくしますと、もう硬枕が離せなくなります。

 この枕は就寝中に頚から上の器官の働きを活性化し、特に脳への血流を盛んにしますから、朝の目覚めたときのすっきり感は格別です。

効能

 耳鼻咽喉、歯の疾病、肩こり、気管支炎などの予防と改善、小脳や延髄機能の向上により手足の神経麻痺がよくなります。

硬枕・木枕で健康診断

 硬枕・木枕を利用すると痛さや麻痺を感じる人はどこかに故障のある人です。使用し続けることで故障箇所は順次矯正されていきます。

 硬枕利用の初期は頭部の半面が麻痺するようなこともありますが、これは頚椎のズレが治る前兆なので、根気よくそのまま続けてみてください。

3.金魚運動(心に活気、腸に活力を)

 背骨の左右のゆがみを治し、脊髄神経に対する圧迫や末梢神経の麻痺を防ぎ、全身の神経機能を整えるとともに、

腸管にも刺激を与え、腸管内の内容を均等にし、機能を生理的に促進します。

 @平らな牀の上にあお向けに寝て、頚の後ろで両手を組みます。

 A足首を床面と直角になるようにできるだけ手前に起こし、アキレス腱をのばします。

 B魚が泳ぐように「く」の字に身体を左右にすばやくうねらせます。

 C朝夕1回、2分間行います。

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 ●高齢者や幼児で自分でできない場合は、両脚をまっすぐにそろえ、介助者が片手で足首を抑えもう一方の手で左右の親趾をもって微振動させるのも効果的です。

 ●症状により応用として、膝立金魚運動をするケースもあります。

4.毛管運動(血液循環を促進させ、全身をリフレッシュ)

 これは全身の血液循環をよくして、血液循環の不等速を改善する運動です。

 人体に51億本あるといわれている毛細血管のうち、31億本が分布している四肢を上げて微振動させることで、

 四肢の静脈弁が正整され血液循環と新陳代謝が生理的に盛んに行われるようになり、鬱血や血液の停滞を除き内臓や循環器系統の疾病を治療・予防することができます。

@横になって手足を体と直角になるように垂直に伸ばします。

A手は肩幅に、足は腰幅になるように広げ、足の裏は床面と水平になるようにします。なるべく膝を曲げず、アキレス腱を伸ばすような姿勢をとり、手足を細かく振動させます。

B1日に2分間を2〜3回行うことで、疲労回復が速く、脚力が増します。またグローミュー(動静脈吻合)の健全を促進します。

注:@腎臓、心臓病者は足関節に福木を用います。A自力でできない場合は、下肢を壁に3分立てかけ、5分下ろす、を繰り返すだけでも効果的です。

5.合掌合蹠運動(脊椎の前後のゆがみと四肢の不正を正す)

 四肢(手足)の筋肉と神経の平衡を目的とします。また、骨盤底、腹部、上腿、下腿、などの筋肉及び神経を刺激し、機能を高め、血液循環を順調にします。

 妊産婦さんは繰り返し行うことにより、胎児の発育を順調にし異常体位を正し、安産に導くことができます。特に婦人病予防、回復を早めます。

 横隔膜以下の疾病を予防・治療させることができます。

@仰向けになって合掌し、足の裏を合わせ(合蹠)ます。

A脚を屈曲したときに手も胸の位置で屈曲し、次に伸ばします。このとき脚は屈伸を少しゆるめる程度とします。

B終了後、合掌し脚部は縮めたまま2〜3分静止します。

C1回につき100回、1日に3回行います。


6.背腹運動(背骨を正し、内蔵下垂を防ぎ、体液を中性にする)

 この運動は各種運動法の王座に位置します。準備運動と本運動があり、準備運動で神経・筋肉を整え、本運動で交感神経と副交感神経を完全に働かせ、

 生理機能が正しく行われるようにします。

本運動

 背骨を左右に揺動させ背骨のゆがみや故障を全体的に正します。腹部運動によって腸の機能を高め、腹部の血液循環を活発にします。

 また、左右揺振運動(酸性運動)と腹部運動(アルカリ性運動)を同時に行うことで、体液を中性に保ち健康状態へ導きます。また、頭脳明晰法でもあります。

@正座をして足の指を重ねるようにして、両膝を握りこぶし5〜6個分開きます。

A尾骨を中心に、頭の頂端までを一直線にし、一本の棒のような意識で左右に揺振します(メトロノームのように)。

B傾いた時に腹部を押し出し、中心に戻る時に力を抜く要領で腹部をへこまします。

C1往復を1回として1分間に50〜55回、10分間で500回が標準の速さです。

D要領をつかむまでは1分間に15回でも20回でもゆっくりペースでかまいません。ただし、背骨の揺振のみでは血液が酸性に、腹部運動のみではアルカリ性に偏りすぎますので、

 必ず「背と腹」を同時に行ってください。

E全ての動作は呼吸と関係ありませんから鼻唄でやってください。

F座るのが不得手の人は椅子に腰掛けても結構です。ただし、起立して行ってはいけません。

効能
 準備運動だけでも呼吸や血液循環が改善され、胸部の正常化、甲状腺、胸部リンパ腺の働きを強め、腕の静脈管の働きをよくし、握力を強めます。

∞柿の葉茶飲用のすすめ∞

 

柿の葉茶はビタミンCを多く含み、この為に飲用がすすめられています。ではビタミンCの効用とは何でしょうか。要約すると

歯の発達に役立つ、皮膚の内側の細胞組織を健全にする、毛細血管を丈夫にする、細菌感染に対して抵抗力を強める
酸素の新陳代謝に役立つ、球の再生に関与する、血液の凝固時間を早める、血圧の調節に関与する、ホルモンの分泌を促進する
免疫性を高める、膠原質の生成に欠くことができない、動静脈吻合の確保に役立つ等。

これらの効能から考えてもすべての病気の治療はもちろんのこと、予防にもビタミンCが必要なことがわかります。
しかし、ビタミンCは体内で作ることはできません。この為にいかに外から摂取するかが問題になるわけです。

製薬会社が売り出しているビタミンC剤は手軽に服用でき便利の様に思われます。しかし、ビタミンCは非常に不安定なものです。
純粋に精製したビタミンCは変化しやすく、活用されにくいこと、また服用しても数時間以内に排尿されてしまうこと、
大量に連続して服用すると蓚酸石灰が生じ、体内に結石を作りやすくなるなどの理由から、その効用は疑問視されています。

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